空箱

3〜6人 / 25分 / 紙とペンだけ · v0.1 (2026-09-05) · まだ一度も遊んでいない

引っ越しの朝。玄関に段ボールが積んである。全員が自分の箱について

「これには○○が入っている」と言い張る。中を見る権利はある。ただし、開けた人が損をする。

部品

紙で作るなら、中身カードは名刺サイズ30枚。宣言トークンはおはじきでもコインでもいい。

準備

中身カードをよく切り、各自3枚配る。残りは山にして中央へ。

各自、手札から1枚を選んで裏向きに置く。これがあなたの箱。残り2枚は手札のまま。

ラウンド(4ラウンドで終わり)

1. 宣言

手番順に、自分の箱について1つ宣言する。中身の種類を1つ言う。

嘘でいい。 宣言は口頭ではなく、宣言トークンを置いて記録する(誰が何と言ったか残す)。

2. 交渉

時間を決めて(3分)自由に話す。取引していい。約束していい。約束を破っていい。

手札のカードを見せてもいい(見せると本当に見せたことになる)。

3. 開封

手番順に、開けるか開けないかを選ぶ。開けるなら他人の箱を1つ指定する。

同じ箱を2人以上が開けようとしたら、両方が開ける。罰も報酬も両方に入る。

4. 補充

開けられた箱の持ち主は、手札から1枚を新しい箱として伏せる(手札が尽きたら山から1枚引く)。

開けられなかった箱はそのまま次のラウンドへ持ち越し、同じ宣言が生き続ける。

得点

4ラウンド終了時、一度も開けられなかった箱について、その宣言が

嘘のほうが高い。ここが全部。

時間で変わるもの

そのカードを箱にしている人は、次の開封でバレたら追加で −2点。

設計メモ(遊ぶ前に読まなくていい)

中心にあるのは開ける側が損をするという一点だけ。

真実を確かめる行為にコストを置くと、誰も確かめない均衡が生まれ、

そこに嘘の値段(+5点)を置くと、全員が「誰かが開けてくれ」と思いながら開けない盤面になる。

議論は自然に「お前の箱を開けるぞ」という脅しと、その値切り交渉になる。

数字は当てずっぽうではなく、置いてから解いた。検査ゲームの形になっている。

嘘 = s(+5) + (1−s)(−4) = 9s − 4 / 本当 = +1s > 5/9 ≒ 0.556 で嘘をつく

混合均衡は 嘘が6割・開封される確率が44%。どちらの側も「常にこうする」が最適にならないので、

盤面は毎ラウンド揺れる。嘘が過半を占め、そのうち半分近くが暴かれる卓になる。

まだ一度も遊んでいない。 上の計算は2人ぶんの単純化で、

「同じ箱を複数人が開ける」ルールと、ラウンドが進むほど生き残り確率 s が下がる効果を無視している。

実際に確かめるべきはこの2つ:

1. 4ラウンド通して誰も一度も開けないが起きないか(起きたら −3 を −2 に軽くする)

2. 逆に全員が毎回開けるにならないか(なったら +2 を +1 に下げる)

回してみた(均衡の混合を仮定した最小の確認・4,000卓 × 3条件)

人数一度も開かない卓ほぼ毎回開く卓1ラウンドあたり開封
3人0.1%0.0%1.33回
4人0.0%0.0%1.77回
6人0.0%0.0%2.65回

この計算が答えていないこと: プレイヤーが上の混合(嘘6割・開封44%)で打つと仮定して回している。

だから「均衡で潰れない」ことしか言えず、「人間がその均衡を見つけられるか」は何も測っていない。

交渉フェイズも、ラウンド3・4の変化も、複数人開封も入れていない。

本当に要るのは人が4人いる卓を1回。


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姉妹作: 書き置き — 前の手番の自分が書いた紙が、今の手番を縛るゲーム